テーマ:公共政策の実現

社会や地域の課題を
デジタルで解決する
政策の実現に取り組みます。

シニアマネージャ

井上 泰一

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略歴

1990年に株式会社野村総合研究所(NRI)に入社。35年間にわたり、主に社会システム系部門において、中央省庁や公共分野に関わる民間企業を対象としたコンサルティング業務に従事。総務省を中心に、内閣府、国土交通省、農林水産省、経済産業省、環境省等の案件を担当し、ICT・デジタル利活用を軸とした政策立案及び実行支援、実証事業PMO等に携わってきた。

扱ってきたテーマは、道路交通、ITS(高度道路交通システム)、高齢者・障害者の交通バリアフリー対応から、スマートシティ、地域IoT、ローカル5GAI活用、情報アクセシビリティ、スマートモビリティ、インフラメンテナンス、スマート農業、地方創生まで多岐にわたる。2010年から2013年は、NRIの未来創発センターにて「中国・豪州のスマートシティ市場における、日本企業の事業機会創出を目的とした産官学連携組織の立ち上げ・運営」を主導的立場で実施。

2015年から2017年は内閣府「地方創生人材支援制度」により愛知県豊根村へ非常勤職員として派遣され、チョウザメ養殖事業の産業化支援にも取り組んだ。総務省地域情報化アドバイザー、スマートシティたかまつ推進協議会運営委員会、三重大学「みえ地域共創塾」などの活動も通じて、自治体の主導による「ICT・デジタル利活用による社会・地域課題の解決」の知見を蓄積。

202511月にグラビス・アーキテクツ株式会社へ入社し、政策戦略コンサルタントとして培った知見を活かしながら、政策立案とICTAI・デジタル実装をつなぎ、社会・地域課題の解決に資する仕組みづくりを支援している。

専門領域・主な業務経験

国のビジョン・戦略の策定支援

総務省、内閣府、国土交通省、農林水産省、経済産業省等からの受託案件において、ICT・デジタル技術を活用した政策立案支援、調査研究、委員会運営、施策・事業の設計支援に取り組んできた。政策目的、社会環境変化、制度、技術動向、産業構造、国内外事例調査、産官学の役割等を踏まえながら、実現可能なビジョンや戦略へと具体化していくことを得意とする。単なる調査研究の取りまとめにとどまらず、国の政策が現場で実行され、社会実装につながる道筋を描くことを重視してきた。

実証事業のPMO

高齢者・障害者に優しい公共交通、G空間シティ(地理空間情報を活用したスマートシティ)、ふるさとテレワーク、未来技術社会実装、地域IoT、ローカル5G等の実証事業において、進行管理、課題整理、成果管理、関係者調整を担うPMO業務に従事してきた。実証実験を、実フィールドにおける技術の有効性を確認する政策手法としてだけでなく、政策目的、現場ニーズ、技術シーズ、事業者の実行力を結びつけ、制度化、事業化、横展開につなげるためのプロセスとして捉えている。国、自治体、企業、大学等の多様な関係者の間に立ち、実証の目的を明確化し、成果が次の実装段階に接続されるよう支援することに留意している。

都市・地域におけるモビリティ

交通需要マネジメント、ITS、自動運転バス、高齢者・障害者の移動支援、自動車運送事業の運行管理高度化等の領域に携わり、都市や地域における移動サービスの高度化に取り組んできた。モビリティを単なる交通手段としてではなく、都市機能、地域生活、公共サービス、産業活動を支える社会インフラサービスとして捉え、デジタル技術やデータ利活用を通じた安全性、利便性、持続可能性の向上を重視している。交通サービスにおける運転者の高齢化や担い手不足、地域交通の維持、運行管理の効率化といった課題に対し、政策、技術、現場運用面の工夫をつなぎながら、実装可能な解決策を構想することを得意とする。

 

地域DX・スマートシティ

データ利活用型スマートシティ、地域IoT、地方公共団体におけるAI活用、スマートシティの国際展開・標準化、スマートシティリファレンスアーキテクチャの改訂等の業務に携わってきた。地域DX・スマートシティを、社会や地域が抱える課題を、データ、ICT、制度、組織、住民参加を組み合わせて解決するための総合的な仕組みづくりとして捉えている。総務省地域情報化アドバイザーやスマートシティたかまつ推進協議会運営委員会委員としても、政策目的に立ち返りつつ、自治体や地域が抱える現場制約も踏まえた助言・支援を行ってきた。

社会インフラマネジメント

道路・橋梁・トンネル・ダム等の維持管理や修繕に係る社会インフラ用ロボットの社会実装支援に関する業務を通じ、社会インフラの老朽化、市町村における技術職員不足、安全性確保、維持管理コストの制約といった社会インフラ領域の課題に向き合ってきた。社会インフラマネジメントにおいては、センシング、ロボット、データ活用、AI等の技術を現場の点検・維持管理業務に位置づけるとともに、個々の市町村では対応が困難になりつつある維持管理機能を、広域連携により持続可能な形で支えていく視点(群マネ)が重要であると考えている。

高齢者や障害者の交通バリアフリー・情報アクセシビリティ

国土交通省が所管する高齢者・障害者の交通アクセシビリティに関する政策への関わりを出発点に、総務省が所管してきた日本版VPAT(ICT機器・サービスに関する情報アクセシビリティ対応状況の自己評価様式)、情報アクセシビリティ支援ナビ、デジタル活用支援推進事業等の領域に携わってきた。交通バリアフリーや情報アクセシビリティを、誰もが移動し、情報にアクセスし、デジタル社会の便益を享受できるための公共政策上の重要テーマとして捉えている。

デジタル基盤技術(ロジック系半導体)

AIチップ・次世代コンピューティングの技術開発に係る技術動向調査(NEDO委託調査)を通じ、デジタル社会を支える基盤技術としてのロジック系半導体の政策的・産業的意義を捉えてきた。自動運転、社会インフラマネジメント、スマート農林水産業、防災、自治体の行政サービス等の社会実装領域では、データ処理、エッジコンピューティング、高度な演算基盤が不可欠となるため、半導体を単なる部品や要素技術ではなく、社会システムの高度化を支える戦略的基盤として捉えている。

現在の関心

現在の関心は、これまで取り組んできた社会・地域課題解決のテーマを、構想や実証にとどめず、しっかりと社会実装まで持っていくことにある。特に実現したいのは、「サービスを利用する側にも、提供する側にも優しい社会システム」である。利用側にとっては、安全、安心、健康、快適に暮らすために、必要な移動、情報、行政サービス、地域サービスへ自然にアクセスできることが重要である。一方で、提供側である自治体、企業、支援者等にとっても、過度な負担や属人的な努力に依存せず、持続可能な形でサービスを提供し続けられる仕組みでなければならない。有効な手段となるICTAI・デジタルの導入を目的化せず、現地現物で課題に向き合い、人材や各種リソース、事業性、データ・情報などを結びつけ、持続可能で実際に使われる仕組みとして定着させることに尽力したい。