背景
組立製造業のお客様において、SAP ERP導入後、部門間の垣根を超えデータがリアルタイムで共有されるようになったことで、実在庫とシステム在庫の乖離が大きく、生産計画や納期回答の精度が低いという課題が抽出されました。
狙い
課題の真因を突き止め、SAP ERPを中心としたビジネスアプリケーションの定着化/利活用を推進し、生産計画・納期管理・調達業務の改善および在庫運用の改善を目指しました。
グラビス・アーキテクツの役割
●現状システムの分析
グラビス・アーキテクツはお客様へのヒアリングと現場状況の確認を行い、実在庫とシステム在庫の在庫差の真因として、以下の3つを仮定しました。
1|在庫精度に関する定量的な評価指標が不足していることで、正しい状態を共有できない。
2|現場で在庫情報をリアルタイムに入力する仕組みがないため、システム在庫への反映にタイムラグが生じる。
3|SAP ERPの定着化/利活用ができていないため、処理や確認プロセスが徹底されていない。
●SAP ERP定着化/利活用コンサルティング
真因への対処、課題解消のため、以下の取組施策を立案・実行し、定着化/利活用コンサルティングを実施しました。
1|在庫の配置をデータ化し、システムによる在庫の可視化
2|部品流動データを元にした倉庫レイアウトの最適化
3|タブレットPCによるリアルタイム在庫受払・棚卸
4|在庫運用精度改善のKPI設定とシステムによる定期的評価体制の整備
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成果
●高精度の在庫管理を実現
SAP ERP導入から6カ月でシステム上の在庫データと現物在庫の差異が16%から1%へと改善。精度の高い在庫・受払運用の定着化に成功しました。
●納期遵守率の向上に成功
SAP ERPの在庫データを基にした的確な生産計画/納期回答の枠組みを構築したことで、システム導入から6か月で納期遵守率が40%から90%まで向上しました。
●在庫運用の適正化によるコスト削減
SAP ERPに蓄積された在庫・受払データを基にした最適な調達プロセスを構築した結果、3か月で、在庫金額を12%(約0.3億円)削減。生産・調達業務における大幅なコストカットに成功しました。
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担当コンサルタント
金 英樹
仲林 功丞